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アーク溶接(MAG・MIG)を施行する上での基本
Ⅲ. ガス流量
 シールドガスの流量は室内、屋外、溶接姿勢、ワイヤ突出し長さ(ノズル高さ)の溶接状況に合わせて流量を調整する必要があります。溶接電流とガス流量の関係を表3に示します。

表3.溶接電流とガス流量

溶接電流(A) ノズル内径(㎜φ) ガス流量(L/分) ワイヤ径(㎜φ)
130前後 14 15 0.8~0.9
200前後 17 18 1.0~1.2
250以上 20 21 1.2~1.6

ガス流量設定は、ノズル内径(㎜φ)の寸法と同一数値の流量(L/分)が目安となります。
       例:(トーチ内径14㎜φ=ガス流量:15L/分)

*  ワイヤ突出し長さが表1の数値より幾分長くなる可能性がある場合は、表3の流量より10~30%の流量の増加が必要です。

*  扇風機や窓からの風などが、直接ノズルにあたらないような風防処置が必要なことは言うまでもありません。しかし現場での風害の対策には、ガス流量増加に伴うガス流速の上昇により、被包効果を高めることをやむなく行うことがあります。これはガス消費の経済的観点より好ましいものではありませんが、次の点を留意して行ってください。


図2. ガス流量と被包純度の関係

  1.  ノズルの性能にとって被包効果は違ってきますが、無風時及び風害時における被包ガスの空気の巻き込みの関係一例を図2(a~c)に示します。

  2.  無風時(図2-a)よりノズル部に風害が生じると、図2-bに示すように被包面積が減少すると共に、被包部が溶融池よりはずれてしまいます。溶融池の被包部を改善するためには、図2-cのように流量増加をはからねばなりません。この場合被包部のズレは修正されますが、被包面積は無風時と比較して減少しています。従って、ワイヤ突出し長さも無風時に比較して制限されます。防風ネットや遮蔽板の部分採用によって、ガス消費の増加を抑えることができます。

  3.  被包ガス中への空気の混入による溶着金属の気孔発生は、酸素を含有している被包ガスにおいて特に助長される傾向が見られます。これは被包ガス中に巻き込まれた窒素と、被包ガス中の酸素により気孔発生の原因であるNO分圧が上昇するために起こるものと考えられます。従って、気孔防止発生に重点を置く溶接では、被包ガス中の酸素含有量の規制が必要です。
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