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レーザーガス
Ⅳ.レーザの発振原理

1.基底状態
 すべての物質は、原子と呼ばれる小さな粒子で構成されている。原子は中心に原子核を持ち、その回りにいくつもの電子が取り巻いている。
図のような、原子が持つ量子力学的な系の定常状態のうち、最低エネルギーでもっとも安定した状態のことを
基底状態という。

2.励起(ポンピング)
 上図の基底状態にある原子に光や電子などのエネルギーを与えると、電子がより外側の軌道に移り、基底状態より高いエネルギー状態となる。このことを「原子がエネルギーを得て励起(ポンピング)され、励起状態になる」という。

3.自然放出
 励起された原子は不安定なので、すぐに元の軌道に戻ろうとする。このときにエネルギーを光として放出する。この光の波長は原子の励起準位(軌道からどれだけ離れたか)による。このときに、基底状態のエネルギー準位をE1、励起状態のエネルギー準位をE2とすると、光の粒子(光子、photon)のエネルギーは、E2-E1=hυ、となる。

4.誘導放出
 この自然放出光が他の励起状態にある原子に入射すると、その原子は自然放出光に刺激されて基底状態に戻る。このときに発生する光を誘導放出光といい、入射光と同じ向きにエネルギーが2倍になるように増幅される。


5.光増幅
 励起エネルギーを強くすると、励起状態の原子数が基底状態のそれより多くなる。この状態のことを通常の熱平衡状態では成立しないことから「反転分布」という。この状態でレーザの媒質中を自然放出光が進むと、誘導放出過程により光の増幅が行われる。この増幅光が二枚の反射鏡から形成される光共振器の間を往復すると、さらに誘導放出による光の増幅が行われる。この増加エネルギーが光共振器内の損出エネルギーを超えると、レーザ発振が起こってレーザ光が放出される。
熱平衡状態 反転分布
準位による存在比


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